光のもとでⅠ
 文系では常に二位をキープしているが、理系では十位前後を彷徨っている。
 双方悪い順位ではないし、トータルで見れば必ず二十位内には入っている。
 けれども、根っからの文系のくせに、理系を選択しているからBクラス。
 本人曰く、
「得意だからそれを選択するっていうのも芸がないだろ? やるなら点数が取れていないものをやったほうがいい」
 そんな考えもあるのか、と首を捻りつつ「克服」という漢字二文字が頭に浮かぶ。
 嵐は文系に命をかける勢いで勉強をしており、その甲斐あってAクラスにいるが、理系科目はズタボロだ。
 毎回そのフォローをしているのが優太だろう。
 文系と理系の人間が同じクラスにいると、苦手分野をフォローし合える。
 そういう仕組みのクラス編成でもある。
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