光のもとでⅠ
 本当は君が何を気にしているのかなんてわかっているんだ。
「自分だけ休憩時間が長くて気が引ける?」
 スツールに腰掛けた彼女は両手でカップを包み、それを見つめたまま口を開いた。
「……はい。もし、自分ではない人が生徒会に入っていれば、こんな対応をする必要はなかったんじゃないかな、と思うから……」
 どうしたら君に自信を持たせられるのか。どうしたら君が少しでも胸を張れるようになるのか。
 わからないわけじゃないけど、その手助けができる位置に俺はいない。
「じゃぁさ、休んだ分がんばればいいんだよ」
 彼女はがんばるということの上限を知らない。
 がんばらないことの下限を知らない。
 そんな彼女に俺が教えてあげられること。
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