光のもとでⅠ
 図書室に閉じ込めれば閉じ込めるほど、翠葉は小休憩を外で取ろうとしたし、司の心配――むしろ俺らの心配をばっさりと切り落としてここから出ていく。
 ま、それでも風紀委員の誰かしらが必ず見ていてくれるし、翠葉自身も人気のあるところに身を置く考慮はしているから大丈夫だとは思っているわけだけど。
 人気のあるところ、イコール、人の目に留まるところ、でもあるわけで、司は面白くなかっただろう。
 面白くない、というよりは、いてもたってもいられない。そんな感じ。
 平静には見えるけど、見えるだけだと思う。
 翠葉が図書室からいなくなると、司の冷酷非道に拍車がかかる。
 その被害を被る人間数知れず。
< 5,114 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop