光のもとでⅠ
「お疲れ。あんな顔見ちゃうと心が折れそうになるよね」
 朝陽先輩に軽く背中を叩かれる。
「そうなんですよ……」
 苦笑して見せるものの、まだ罪悪感という錘が背中に乗っていた。
 中間考査が終わると、五時から六時は問答無用で翠葉の休憩時間と決められた。
 それは湊ちゃんから下された厳命。
 けれども、翠葉は長時間の休憩を強要されることに不満を持っている。
 先週、翠葉の胸の内を知ったから、その気持ちがわからないわけじゃない。
 でも俺は――じゃないな。俺も、翠葉が倒れるところは見たくないし、学校を連日休むようなことになるのは心配。
 何よりも、結果的にそのほうが翠葉にとってはマイナスになるし、飛鳥は落ち込みクラスの連中もそわそわしだす。
 だから、止めるよ。
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