光のもとでⅠ
 そんなとき、司はこっちを気にするでもなく淡々と仕事を続ける。
 本当は気になっているくせに……。
 どこか面白くないという顔をするのは、「その役は俺のだ」とでも言いたいのだろうか。
 俺の従兄殿は根っからのサドに違いない。
 これ、一応メンバーからの気遣いなんだけど、わかってるのかな?

「こっちもなんともいえない気分になるよね」
 両手をテーブルにつき、身体を猫のようにしならせた伸びをしながら嵐子先輩が言う。
「詳しいことは知らないけど、先日の湊先生の話しからすると、ずっと微熱が続いてるんでしょ? 解熱剤とか飲んでるのかなぁ?」
 みんなの視線が司を向く。
 その視線に気づいた司が仕方ないといったふうに口を開いた。
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