光のもとでⅠ
「それとね、もう一度忠告しておくけど、男は逃げられると追いたくなる本能が備わっているんだ」
ベンチの背もたれに置いていた左手で彼女の左肩を捕らえると、軽く口を開けた彼女の唇に口付ける。
「こんな簡単な手に引っかかっちゃうから心配なんだ。……俺、翠葉ちゃんの"初めて"は全部もらうつもりでいるから。俺に陥落させられる前にほかの男に奪われないでね」
言ったことの意味を理解してくれたのかできていないのか、この子においてはそんなことすらわからない。
ただ、今目の前にいる彼女は間違いなく自分の中に魂があって、ちゃんと俺の行動に反応を示してくれている。
顔を真っ赤にして芝生に目を落とし、うろたえている。
もういい、それだけでいい――。今は、だけど。
「さ、家まで送るよ」
手を差し出すと、その手を前に戸惑う彼女。
きっとこの手を取っていいのか、そんなことを考えているのだろう。
「翠葉ちゃん、断れようと何されようと俺の対応は変わらないよ。だから、この手を取って」
君はとても素直でとても無防備で、とても迂闊だ――。
ベンチの背もたれに置いていた左手で彼女の左肩を捕らえると、軽く口を開けた彼女の唇に口付ける。
「こんな簡単な手に引っかかっちゃうから心配なんだ。……俺、翠葉ちゃんの"初めて"は全部もらうつもりでいるから。俺に陥落させられる前にほかの男に奪われないでね」
言ったことの意味を理解してくれたのかできていないのか、この子においてはそんなことすらわからない。
ただ、今目の前にいる彼女は間違いなく自分の中に魂があって、ちゃんと俺の行動に反応を示してくれている。
顔を真っ赤にして芝生に目を落とし、うろたえている。
もういい、それだけでいい――。今は、だけど。
「さ、家まで送るよ」
手を差し出すと、その手を前に戸惑う彼女。
きっとこの手を取っていいのか、そんなことを考えているのだろう。
「翠葉ちゃん、断れようと何されようと俺の対応は変わらないよ。だから、この手を取って」
君はとても素直でとても無防備で、とても迂闊だ――。