光のもとでⅠ
 そんな彼らに説明するのは生徒会メンバーの役目。
「人間計算機を駆使する極悪大魔王と、人間インデックスならぬ生き字引を無言で駆使するお姫様。おかげで仕事が捗るのなんのって」
 朝陽先輩がにこやかに説明する。
 どっちもどっちすぎて何も言えない。
 でも、互いが互いをそんな使い方しているのだから、対価交換はできていると思うし、つり合ってもいると思う。
「なんだかすごいな……。もうずっとこそあど言葉しか使ってない気がするけど、そこにミスとか生じないの?」
 放送委員の神谷先輩が呆れとも感心とも取れる声音で訊いてくる。
「それが、今のところひとつもないんですよね」
 優太先輩が答えると、「おおっ」なんて感嘆の声が上がる始末だ。
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