光のもとでⅠ
 優太先輩は同じ会計部隊にいるため、ふたりの阿吽の呼吸を見せ付けられている人間でもあり……。
「もはや芸術?」なんて声が上がれば俺はそれを否定する。
「いや、あれは芸術とかその類ではなく、未知の電波通信です」
 なーんか、甘さが足りないと思う。
 今になってわかったんだけど、翠葉と司がどんな近距離にしても、人が聞いたら赤面するほどの甘い言葉を交わしていても、それはきっと全然甘いものじゃない。
 マンションのカフェラウンジで翠葉の話を聞いたとき、俺も空太も翠葉よりは恋愛偏差値が高いはずなのに、ものすごく面食らった。
 超絶当てられた。
 でも、あれだけ翠葉が落ち着いていた理由が今ならわかる気がする。
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