光のもとでⅠ
12~13 Side Kaito 02話
六時を回ればドアの向こうでスタンバイしていたんじゃないか、というくらいにしゃっきりとした翠葉が出てくる。
これもいつものこと。
眠そうな顔をして出てきたことは一度もない。
ちゃんと休めているのか不安に思うものの、その顔をじっと見れば「ちゃんと休んできたよ」と苦笑つきで言われてしまう。
鈍いくせにこういうところだけやけに鋭くて困る。
「この金額の充当だけど――」
周りの人間が「おかえり」と声をかける中、司だけはそんな言葉で翠葉を迎えない。
それがきっと司の気遣いであり、優しさ。
そんなことがわかる人間が何人いるのかな。
これもいつものこと。
眠そうな顔をして出てきたことは一度もない。
ちゃんと休めているのか不安に思うものの、その顔をじっと見れば「ちゃんと休んできたよ」と苦笑つきで言われてしまう。
鈍いくせにこういうところだけやけに鋭くて困る。
「この金額の充当だけど――」
周りの人間が「おかえり」と声をかける中、司だけはそんな言葉で翠葉を迎えない。
それがきっと司の気遣いであり、優しさ。
そんなことがわかる人間が何人いるのかな。