光のもとでⅠ
「……もしかして、相馬さんの指示?」
「察しがいいわね」
「まぁね……」
 俺の知っている湊ちゃんなら、気づいた時点で取り上げているだろう。
 彼女の意思を尊重することとこれは一緒にできない。
 湊ちゃんなら、身体にかかる物理的負担をどこかで相殺できると踏まない限りはOKなど出すはずがない。
 だとしたら、違う人間の思惑がそこにはある。
 ギリ、と奥歯に力が入った。
「相馬さんはなんて?」
「もう少しだけ待ってやれって。やっと自分の居場所を見つけたんだから、そこで何かを残せるまで待ってやれって」
 言っていることはわかる。
 けど、それで彼女の身体はどうなるっ!?
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