光のもとでⅠ
でも、記憶を取り戻したとき、その中にいられるかは不明。
――今は考えるな。
自分の思考をシャットアウトし、目の前にいる彼女に問いかける。
「ねぇ、翠葉ちゃん。俺は何か役に立てた?」
「え……?」
「前々から感じてはいたんだけど、翠葉ちゃんは自分にできることがとても少ないって思い込んでいるみたいだけど、そんなことはないんだよ。俺にハーブティーの淹れ方を教えてくれたのは翠葉ちゃんで、俺に人を好きになるっていう気持ちを教えてくれたのも翠葉ちゃんだ。心の底から『ありがとう』って口にできるようになったのも君に出逢ってからだと思う」
俺の言葉がよほど意外だったのか、彼女は目を見開いたまま少し固まっていた。
「そんな翠葉ちゃんに俺が何をできるのか……。俺だって翠葉ちゃんと変わらない。常に暗中模索。俺は社会だとか会社に貢献をすることよりも、大切な人にどんなことができるのか、ってことのほうが大ごとみたい」
――今は考えるな。
自分の思考をシャットアウトし、目の前にいる彼女に問いかける。
「ねぇ、翠葉ちゃん。俺は何か役に立てた?」
「え……?」
「前々から感じてはいたんだけど、翠葉ちゃんは自分にできることがとても少ないって思い込んでいるみたいだけど、そんなことはないんだよ。俺にハーブティーの淹れ方を教えてくれたのは翠葉ちゃんで、俺に人を好きになるっていう気持ちを教えてくれたのも翠葉ちゃんだ。心の底から『ありがとう』って口にできるようになったのも君に出逢ってからだと思う」
俺の言葉がよほど意外だったのか、彼女は目を見開いたまま少し固まっていた。
「そんな翠葉ちゃんに俺が何をできるのか……。俺だって翠葉ちゃんと変わらない。常に暗中模索。俺は社会だとか会社に貢献をすることよりも、大切な人にどんなことができるのか、ってことのほうが大ごとみたい」