光のもとでⅠ
『茜です。プリンタのインクを取りにきました』
 秋兄がロックを解除すると、するり、と茜先輩が入ってくる。
 翠はすごい勢いで茜先輩に謝罪を始めた。
 三十分オーバーの休憩に対しての謝罪。
 茜先輩は一瞬呆気に取られたものの、
「いーよいーよ! 実は、もう三十分寝かせてあげてって言ったのは私だから。勝手にごめんね。でも、翠葉ちゃんはいっぱい計算してくれるからね」
 翠を抱きしめると茜先輩は俺に視線をよこし、「そういうことにしておいて」と唇を動かした。
 了解……。
「インクってこの箱でしたよね」
 茜先輩は窓際に置かれた箱まで行くと、ガサゴソとインクカートリッジを漁り始めた。
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