光のもとでⅠ
 それこそ、うちの一族のあちこちでもこんなやりとりは日常的に行われているだろうけれど、俺はそれらすべてを把握するほど暇でもなければ物好きでもない。
「ついでに、藤宮で一括りにすると、君も知っている俺の従弟がすごく嫌な顔をすると思うけど?」
「……秋斗先生、先生のくせに変だわ」
「あぁ、ごめんね。俺、こんな格好して校内にいるし、生徒会の顧問なんて言われているけど、所属は学園ではなく藤宮警備。教職員じゃないよ。いちいち訂正するのが面倒だから勘違いされたままにしてあるけど。それで別に困ることないし」
「っ……」
 彼女は生徒会のメンバーだからほかの生徒に比べれば接することがある、という程度で、それはあくまでもほかの生徒と比べたら、という話。
 当時は、今の生徒会メンバーほどには交流などなかった。
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