光のもとでⅠ
人生でこんなに働く羽目になるとは思ってもみなかった。
確かにそれなりの報酬はもらっているけれど、それ以上に働かされている気がしなくもない。
でも、この現状をさほど嫌とも思っていない自分がいたりして……。
それはひとえにこの男の仕業としか言いようがない。
そんな頭の切れる色男が俺の部屋に連泊とは何事か――。
この人は気が向いたときにここへ来るくらいで、たいてはこっちが断れないのを知っていて、電話やメールで容赦ない用件を振ってくるか呼び出されるか、だ。
あんたが呼び出せば女のひとりやふたり、どうとでもなるだろうに。何が楽しくて俺の部屋に居ついてるんだか……。
「ねー……ここにいること蔵元さん知ってるんですか?」
蔵元森、三十一歳独身。藤宮秋斗の第一秘書。
俺の同士というか、一応上司というか、飲み友達っていうか、愚痴たれ仲間っていうか、それ以上に恩義のある人だったりする。
捕獲された俺の身元引受人を買って出てくれたのが蔵元さんだった。
そう、俺の住所は即ち蔵元さんが暮らす社宅の住所と同じなのだ。
確かにそれなりの報酬はもらっているけれど、それ以上に働かされている気がしなくもない。
でも、この現状をさほど嫌とも思っていない自分がいたりして……。
それはひとえにこの男の仕業としか言いようがない。
そんな頭の切れる色男が俺の部屋に連泊とは何事か――。
この人は気が向いたときにここへ来るくらいで、たいてはこっちが断れないのを知っていて、電話やメールで容赦ない用件を振ってくるか呼び出されるか、だ。
あんたが呼び出せば女のひとりやふたり、どうとでもなるだろうに。何が楽しくて俺の部屋に居ついてるんだか……。
「ねー……ここにいること蔵元さん知ってるんですか?」
蔵元森、三十一歳独身。藤宮秋斗の第一秘書。
俺の同士というか、一応上司というか、飲み友達っていうか、愚痴たれ仲間っていうか、それ以上に恩義のある人だったりする。
捕獲された俺の身元引受人を買って出てくれたのが蔵元さんだった。
そう、俺の住所は即ち蔵元さんが暮らす社宅の住所と同じなのだ。