光のもとでⅠ
 そんな君だからこそ、司という人材は打ってつけだと思う。
 俺は君に毎回付き合うほど優しくも時間があるわけでもないからね。
「そうだな……。人に懐かないなびかないへつらわない。相手が誰であっても必要最低限の言葉しか交わさない。他人に無関心。ついでに、知ってると思うけど愛想もない」
 ほかに何があるかな? いや、ないもの探しだっけ?
「ねぇ、先生……今のは『勧める』というよりは、『貶す』内容を多分に含んでいるように思えるのだけど」
 そんなつもりはないけどね。
 苦笑しつつ、再度司を推す。
「ま、そういうふうにも取れなくはないか。でも、君にとっては適任なんじゃないの?」
「だから、どこがっ!?」
「君がどんなことを口にしようと、人に聞かれて困ることを話そうと、司はきっと何もコメントはしないし誰にも何も話さない。そんな保証ならしてあげられる。ただ、『だから何?』くらいは言われる覚悟が必要かもしれないけれど」
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