光のもとでⅠ
 そしたら、君は「単なる愚痴」とでも答えればいい。
 ま、君の愚痴を司が何分間聞き続けられるかが最大の難関だとは思うけど。
「先生って本当に変ね?」
「それ、最上級の褒め言葉だよね。俺、こう見えても人選には自信があるんだ」
「いえ、これが褒め言葉に聞こえるのなら、一度病院へ行って診てもらったほうがいいと思うわ」
 特別甘い笑顔を見せればそれに答えるように愛らしい笑顔が返ってくる。
 びっしりと棘を生やした言葉を添えて。

 少しだけ懐かしいかもしれない。
 一年後、司が高等部へ上がってきてからは生徒会の人間とほんの少しだけ距離が縮まった。
 ま、それも表向きだけど。
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