光のもとでⅠ
18 Side Akito 03話
「本当に心がない人間なんじゃないかと思ったわ。でも、違う――誰も、司の心に触れられる人がいなかっただけ。触れようとしても触れさせてくれない」
そう言って立ち上がり、白衣をバサバサと音を立てて払った。
「翠葉ちゃんは何をしたわけでもない。ただ、翠葉ちゃんは司や秋斗先生の琴線に触れるものを始めから持っていただけ」
琴線、ね。
この子らしい言葉を使う。
「でも、私は司の味方だから。だから、秋斗先生には邪魔されたくない」
「それ、俺にはなんの関係もないと思うけど」
「あるのっ」
……まったく、このお姫様は。
そう言って立ち上がり、白衣をバサバサと音を立てて払った。
「翠葉ちゃんは何をしたわけでもない。ただ、翠葉ちゃんは司や秋斗先生の琴線に触れるものを始めから持っていただけ」
琴線、ね。
この子らしい言葉を使う。
「でも、私は司の味方だから。だから、秋斗先生には邪魔されたくない」
「それ、俺にはなんの関係もないと思うけど」
「あるのっ」
……まったく、このお姫様は。