光のもとでⅠ
 翠葉ちゃんも茜ちゃんと同じなのかもしれない。
 いっぱいいっぱいになって口を塞ぐこともできなくなったとき、ようやく口にするのだろうか。
 君にはいくつの対処法がある?
 春先にはひたすら歯を食いしばって涙が零れないように我慢していた。
 夏は笑顔で近寄らないでと牽制した。
 今はしゃくりあげるほどに泣いて、それでも口を噤めないほどにいっぱいいっぱい――。
 どうしてそこまで我慢しちゃうのかな。
 もっと早くに吐き出してくれればいいのに。
 でも、どうしてかなんてわかってる……。
 君はがんばりたいだけなんだよね。
 君も俺に話したことを汚点と思う日がくるのだろうか。
 もう、早くも後悔してるかな?
 それでも俺はいいと思うんだ。
 俺はそれでも君のすべてが知りたいと思うほどに貪欲なのだから。
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