光のもとでⅠ
 自分が何を作り出したのか、ちゃんと知る必要がある。
 医者じゃないからとかそういうことではなく、自分に何ができるのかを考えてみた。
 できればいつでも君には甘くいたいし、君が傷つくようなことは言いたくない。
 本当は、相馬さんに言われたり周りの人間に止められるのではなく、自分で気づいてほしかった。
 それは君が飲み続けていいものじゃない。
 きっと、飲み続けたらどうなるのか想像くらいはできていて、いいことなのか悪いことなのかもわかっていると思う。
 わかっていても使いたいものだったという気持ちはわからなくはないけれど、できれば自分から間違った道を戻ってきたほしかった。
 優しさというのは難しい。
 言わないでいる優しさだってある。
 でも、道を外れたら、「そっちは違うよ」と教えてあげることも優しさなんだ。
 それがいくら彼女に酷なことでも。
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