光のもとでⅠ
ただ、間違った道へと方向を変えただけで、「そっちは違う」と指摘してしまうのは、彼女にとっては単なる足枷。
彼女が自分で気づくまでその道を歩かせてあげられたらいい。
そうして自分で引き返してきた彼女なら、何かしら得ることができただろう。
でも、彼女に突きつけられている現実はいつだって過酷そのもの。
道を間違えたらあと数歩しか進めません。
その先は断崖絶壁です、というオプション付きの制限あり。
行き止まりなんてかわいいものじゃない。
だから、蒼樹がその道を歩む前に手を出して引き止めてしまう気持ちもわかる。
それでも、崖っぷちすれすれまで我慢したのは、少しでも彼女に満足してほしかったから。
心を満たしてほしかったから。
彼女が自分で気づくまでその道を歩かせてあげられたらいい。
そうして自分で引き返してきた彼女なら、何かしら得ることができただろう。
でも、彼女に突きつけられている現実はいつだって過酷そのもの。
道を間違えたらあと数歩しか進めません。
その先は断崖絶壁です、というオプション付きの制限あり。
行き止まりなんてかわいいものじゃない。
だから、蒼樹がその道を歩む前に手を出して引き止めてしまう気持ちもわかる。
それでも、崖っぷちすれすれまで我慢したのは、少しでも彼女に満足してほしかったから。
心を満たしてほしかったから。