光のもとでⅠ
 したがって、患者や見舞い客、その他病院に勤めるスタッフにすら九階へ上がっていることは気づかれない。
 考えれば考えるほどに思う。
「いつもの方法を取ったあとじゃなくて良かったああああ」
 無精者の俺万歳!
 カードを通して九階を押したあとに人を同乗させてしまったともなれば、ノンストップで九階へ上がる羽目になっていた。
「普段の行いがいいとこういうところで返ってくるんだな、うんうん」
 ゲストルームに戻ったら秋斗さんを通してIDカードを発行してもらおう。
 俺や秋斗さんが持ってるようなどこでもパスできるようなランクのカードじゃなくていい。
 リィが入院したときにあんちゃんたちに発行したものと同じもので問題ない。
 いっそのこと診察券に組み込むかなぁ……。
 そうこう考えているうちにエレベーターは九階に着いた。
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