光のもとでⅠ
 廊下の先から聞こえてくるのはリィの叫び声とも取れる泣き声と相馬先生の怒鳴り声だった。
「あーぁ……ガチンコ対決チック」
 泣いてるな……。
 ガンガンに泣いてる。
 でも、これは相馬先生が自分でやるって言ったことだから、俺は中には入らない。
 廊下のソファに座り、ただ中で繰り広げられるやり取りを聞いていた。
 水曜日にも数値の変動はあったけど、あまり気になるなものではなかった。
 どちらかというのなら、いつもよりも血圧数値が高いくらいで、体調いいのかな? なんて思えたくらい。
 学園祭の準備期間なら、そりゃテンションも上がるか、ってそのくらいにしか思ってなかった。
 夜になって一気に血圧が下がったから、珍しく夕飯の時間が遅かったのか、何か食べて消化に血を持っていかれているのかと思っていた。
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