光のもとでⅠ
 リィは嘘をつける子じゃないけど、電話と目の前にいるのとではやっぱり違う。
「それさ、今日帰ったらもう一度訊いてみたほうがいいよね?」
『そのつもり。そしたらこっちから連絡入れるよ』
「お願い。ちょっと気になる」
 そんな会話をして切った。
 その数時間後、零樹さんから連絡があった。
 何が起きているのかはだいたいわかったし、零樹さんや先生たちがどういう心づもりでいるのかもわかった。
「碧さん、大丈夫?」
『ははは、説得するのに一晩かかった。本当は唯や蒼樹にも早く知らせたかったんだけど、奥さん説得するのに時間かかってました』
「ってことは、一応了承したんだ?」
『一応ね。了承はさせたけど……』
「ま、心配だよね」
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