光のもとでⅠ
『彼女が何かを掴むまで。……それが期限』
 だって、リィの欲しているものはそうそう手に入るものじゃないし、何かひとつ得られたとして、それで納得できるもの?
 人ってそんなに簡単に納得できるようにはできていないと思う。
『彼女の身体の限界を見極めるのは相馬さんに一任されているらしい。だから、彼女の体の限界と何かを掴めるまで、どっちが先になるのかは誰にもわからない。言えるとしたら、最悪の状況になる前にはストップがかかる』
 零樹さんに聞いたときにも思ったけど、なんかやな賭けだよね。
 相馬先生の外見からすると、「賭博師」なんて言葉も容易に思い浮かぶけど……。
「あんちゃん、大丈夫? さっきから何も喋ってないけど」
 秋斗さんも気になったのか、あんちゃんの応答を待つ。
< 5,246 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop