光のもとでⅠ
 だからこそ、目を逸らさず、目を背けず、出したい手を抑えてでも見ていてほしい、か。
 本当は自分だって止めたくて仕方がないくせに……。
 何、そっち側の人間ぶってるんだか。
「あーぁ……。湊さん、超絶機嫌悪そうだよね」
『あぁ、恐ろしく最悪だ』
「ついでに、きっとこんな事情を知らない司くんは、あとで知ってすごいヤキモキするんだろうね。仕方のないことだけど同情せずにはいられない」
『……そうだな』
 あんちゃんはまだ置いてきぼりをくらっていた。
『……わかりました。転送は打ち切らないでください。本当に何かあったときに駆けつけられないのはきついですから……』
 あんちゃんの心がぎったぎたに切り刻まれて血を流しているのが見える。
 この人はたぶん、去年あったという出来事を思い出していたのだろう。
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