光のもとでⅠ
 確かに、心が守れても身体が守れなかったら意味がない。
 でも、身体が守れて心が守れなくても意味がない。
 だから待つんだ。ギリギリまで――。
 今回のこれはきっとそういうところからはじき出されたひとつの答え。
「あんちゃん、大丈夫。見極めを間違う人じゃないと思う。相馬先生はそこまでお人好しでもバカでもないよ」
『唯……』
「俺はちゃんと御園生家で家族させてもらってる。でも、俺はセリを見てきたから、今は手出しせずに待つときだと思う。専門家がそのタイミングを計ってくれてるんだったら、もう少し……もう少しだけリィのしたいようにさせてあげられないかな?」
 少しの沈黙のあと、
『両親は了承してるんですよね』
 と、抑えられた声が聞こえた。
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