光のもとでⅠ

24 Side Reju 01話

 水曜日、五時半頃の出来事――。
 会議が終わり、席を立ったところで携帯が震え出した。
 着信名を見てドキッとする。
「周防、ちょっと悪い。席外す」
 携帯を少しあげて見せると、「あぁ」といった顔をして、
「どうぞごゆっくり」
 本当はそのまま明日の打ち合わせを周防と数人の部下ですることになっていた。
 俺が現場で出ない着信は、蒼樹と唯、それから病院関係者からの電話のみ。
 そうと知っている周防は、どんな状況であろうとも背中を押してくれる。「行ってらしてください」と。
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