光のもとでⅠ
 翌日、夕方に携帯を見ると確かに珍しい数字が並んでいた。
 それは血圧を知らせる数値だった。
 普通の人間からしてみたら少し低いくらいの数値。
 でも、翠葉の普段の数値を知っている人間が見れば、ひどく違和感を覚える数値。
 つまりは高い。
「あぁ、確かに心臓に悪いぞ……」
 自分の胸を手で押さえひとり言を漏らす。と、
「どうかしましたか?」
 周防に訊かれ、
「うん。娘の血圧が九十五もあるんだ」
 周防は首を傾げ、
「いつもより高いくらいですかね?」
 と、携帯のディスプレイを覗き込んだ。
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