光のもとでⅠ
「自分にも小学六年生になる娘がいます。うちの子ははやり風邪をひくくらいで健康にはなんの問題もない子ですが……。どうしても、というときは言ってください。そのくらいの信頼を得られる仕事はしてきたつもりです」
 本当にいいやつを部下に持てたと思う。
 今回のこの仕事っきりっていうのが惜しいくらいだ。
 またいつかどこかで一緒に仕事をしたい。
「周防ちゃん、ありがとう。お父さんはもう少しがんばるよ。それができるのはさ、親友が紹介してくれた病院があるおかげなんだよね。そこに信頼できる主治医がいて、さらには学校に近い場所、病院に近い場所にマンションを提供してくれた親友のおかげなんだ」
 そして、周りで生活をサポートしてくれる人や、翠葉に新しくできた友人のおかげ。
「その親友ってオーナーですよね?」
「そっ! 一生返せないような恩だよね。だから、がんばってこれを作らねばならんのさー!」
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