光のもとでⅠ
 収容人数はがんばって詰め込んでも三、四十人といったところ。
 天窓部分は開閉ができるようになっているため、夏は涼しいこと間違いないのだが、これからの季節はかなり寒いと思う。
 冷気は上から降ってくる。
 そこは頭寒足熱ってことでそこら中に遠赤外線暖房を仕込んでみたけれど、どこまで室温を上げられるかは不明。
 最終チェックはそこかもしれない。

 もうひとつの例外は、その教会の並びにある。
 ――「森の中にガラスの建物があったらきれいだよね? 朝葉朝露が朝陽を浴びてキラキラ。夜はお月様とお星様がキラキラ。日中は森の緑がサワサワ音を立てて、夏でも涼やかな音を聞かせてくれるんだよ。それからね、陽射しを受けた葉っぱを下から見上げたら葉脈が見えてとてもきれいだと思うの。だから、屋根も透明で角錐か円錐! 角錐のほうが光の反射がきれいかなっ!?」
 確か、中学に上がるころだったと思う。
 水晶展示会に連れていった帰りに翠葉がそんなことを言いだした。
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