光のもとでⅠ
「それに、それが表に出たとき不利になるのは翠です」
「それはますますもってよろしくない。わかりました、秋斗さんに連絡して正規ルートから行きます」
 なーんか悔しい。俺、高校生相手に負けた気分。
 でも、仕方ないか……。
 この子、俺よりも長く秋斗さんの側にいた子だし、いわば秋斗さんの秘蔵っ子だし。
「でもさ、『唯さん』は絶対に呼ばなくちゃいけない状況だし、俺は勝手に司っちって呼ばせてもらうけどね」
 にこりと笑いつつ作業に入る。
「何か手伝えることは?」
「ないよ。そもそも、こんなの生徒がいじっちゃダメでしょ?」
 少しだけ大人ぶって見せる。
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