光のもとでⅠ
「それ、見ていいよ。内緒だけどね」
 コトリ、と音を立ててダイニングテーブルにコーヒーカップとシュガースティック四本が置かれた。
 どうやら、砂糖を入れる行為には抵抗があった模様。
 ま、そのくらい自分でやるけどね。
 司っちはディスプレイに釘付けになった。
 秋斗さんから話は聞いてる。
 彼は医者になるべく、すでに医学の勉強に手をつけていることも。
 だから、それらが何を指すのかもわかるのだろう。
 心電図のような波形は出ない。それでも、数値を追えば見えてくるものはある。
「ごめんね。司っちと海斗っちのバイタルの転送を打ち切ってくれって言い出したの俺なんだ。しかも、携帯から消去作業したのも俺。過去データから再現不可能にしたのも俺。恨んでくれてかまわないけどね」
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