光のもとでⅠ
 君がリィをセーブしてくれるのはありがたい。
 でも、なんでもかんでも取り上げるだけの人間なら俺は敵と見なすよ。
 人って誰でも欲求や自我ってものがある。
 それを押さえつけるだけの人間なんてリィには要らない。
 俺の妹を任せるつもりはない。
「……なんとなくですが、唯さんが俺にやらせようとしていることがわかりました」
「全部説明しなくて済むって楽でいいね」
 にこりと笑いかければ、彼は冷静な表情を取り戻して、
「つまり、この抜け道すら翠の負担にならない押し付け方をしろ、と言っているわけですよね」
 訊く、というよりは確認。
「ご名答! そこまでわかってくれてるなら話は早いよ。あと、そうだなぁ……二時間かからないくらいで設定できると思うんだけど」
「それにプラスアルファの設定をお願いします」
 ん?
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