光のもとでⅠ
「スンマセン、どうやら集中力切らしたようなので、少々集中力をかき集めてまいります」
 誰に伝え誰が了承してくれたのかも不明。
 とりあえず、俺は断りを入れて図書室を出た。

 テラスのガーデンチェアーに腰掛け腐っていると、俺の正面に座った人間がいた。
「……なんで秋兄が座るの?」
「通りかかったらかわいい弟が打ち拉がれてたから?」
 楓くんと同じ顔してるけど、秋兄には悪魔の触覚とか悪魔の尻尾とか、そういう付属品がついていると思う。
 いや、むしろ付属品というよりも標準装備……。
 司につけさせる予定だけど、秋兄が黒いマントに牙生やしていても全然普通にいけると思う。
 そこら中の人の血、吸いまくってそうだし……。
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