光のもとでⅠ
「ふーん……何がどうおかしいことになってるの?」
「俺以外の男の周りをちょろちょろしてる……。いつもなら、俺に訊きにきてたようなことを違う男のところに訊きに行くし、手伝いとか助けを求めに行く」
「ははっ、そりゃ面白くないわ」
「くっそ……楽しそうに笑いやがって」
 ぐびぐび、っと一気にスポーツ飲料を喉に流し込んだら、少し歯が沁みた。
 たぶん知覚過敏か虫歯。
 念のため、近いうちに歯医者へ行こう。
「いやさ、気持ちがわかるからだよ」
 真正面から秋兄の視線を受け止める。
「俺だって面白くない。翠葉ちゃんは司よりも俺を頼ってくれていた時期がある。でも、今は司を頼ってる。俺なんて見事に蚊帳の外だよ」
 まるでそのあとに、「自業自得なんだけどさ」って言葉が続きそうなニュアンスだった。
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