光のもとでⅠ
「……失礼いたしました」
「でもさ、おまえはその子に告白したことがあるの? っていうか、その子が自分のことを好きでいてくれたとき、おまえはその子に何か言ってあげたわけ?」
 俺は言葉に詰まる。
 つまりはそこなんだよね……。
「あぁ、言ってないんだ。しかも、好きって言ってくれてたのっていつの話だよ」
「……かれこれ二年近く前の話です」
「じゃ、そろそろ見込みなしと思って諦める時期かな。それでも、振られたあと二年も好きでいてくれたんなら本望でしょ? その期間に動かなかったおまえが悪いよ」
 くっそ……耳が痛い。
「ほらほら、耳と目塞いでないで」
 額を軽く小突かれる。
「なんで言わなかったんだ?」
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