光のもとでⅠ
玄関のドアが閉まると若槻くんは私に向き直る。
「口を挟まないなんて珍しい」
「そうね」
「俺、今回のことではみんなが止める中、もしくは、止めようとしている中、行けるところまで行っておいでってリィに言ってあげたかったんですよね……」
言って肩を竦める。
「でも、合宿から帰ってきた時点で回収指令出されちゃったしさ。結局言ってあげられなかった」
そう言われてみれば、彼はここ二週間自動車教習の合宿所にいたのだ。
そして、帰ってきたその日にはもう翠葉ちゃんを病院へ連れていくことが決まっていた。
「リィを危険に晒したいわけでもなんでもなくて、ただ、妹から何かを取り上げることはしたくないんだ……。できることならなんでも与えてあげたい。物とかそういうのじゃなくて、主には『やりたいこと』をさせてあげたい。そのための努力なら惜しむつもりないんだよね。俺はそれで一度失敗をしてるから」
若槻くんはにこりと笑った。
「口を挟まないなんて珍しい」
「そうね」
「俺、今回のことではみんなが止める中、もしくは、止めようとしている中、行けるところまで行っておいでってリィに言ってあげたかったんですよね……」
言って肩を竦める。
「でも、合宿から帰ってきた時点で回収指令出されちゃったしさ。結局言ってあげられなかった」
そう言われてみれば、彼はここ二週間自動車教習の合宿所にいたのだ。
そして、帰ってきたその日にはもう翠葉ちゃんを病院へ連れていくことが決まっていた。
「リィを危険に晒したいわけでもなんでもなくて、ただ、妹から何かを取り上げることはしたくないんだ……。できることならなんでも与えてあげたい。物とかそういうのじゃなくて、主には『やりたいこと』をさせてあげたい。そのための努力なら惜しむつもりないんだよね。俺はそれで一度失敗をしてるから」
若槻くんはにこりと笑った。