光のもとでⅠ
 これ、なんてイキモノですか?
 っていうか、今衝撃を食らったのは俺だけじゃないと見た。
 周りには放送委員の人間もいたし、出入りしている実行委員もいる。
 そのうちの数人が、手に持っていた資料を落とし、ほぼ全員が口をぽかんと開けていた。
 君はやっぱり絶滅危惧種だと思う。
 こんな空気の中、ただひとりだけが淡々と作業を続ける。
 言うまでもなく司だ。
「これでミスがあったら優太の責任にするけど?」
 司から二度目の釘を刺され、俺は仕方なく離脱することにした。
 その前に朝陽に視線を向けると、同じような視線が返される。

 ――「やばいぞ」
 ――「やばいかもね」
 ――「俺たち賭けにマジ負けするんじゃねーの!?」
 ――「なんとしてでも阻止すべきでしょ……」
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