光のもとでⅠ
 そんな会話をアイコンタクトのみでできたと思う。
 朝陽、あとは頼んだ……。
 彼女に少しくらい「恋」たるものを吹き込んでおいてくれ――。

「で、どうだった?」
 学校帰りに嵐子に「その後」の会話を訊いてみる。
 校内や学校前から出ているバスの中ではこんな会話はできない。
 ついでに、電車の中もかなりの混雑具合で会話をすることはできなかった。
 そのぶん、言葉はなくても密着できる時間っていうのは嬉しいけれど。
 よって、今は最寄り駅から自宅までの帰り道。
 ふたりとも自転車で駅まで来ているわけだけど、自転車に乗ってしまうとゆっくり話しもできないので、自転車を引いて歩いていた。
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