光のもとでⅠ
「どうもこうも……。あの子、ほんっとに恋愛の歌だとは思ってなかったっぽい」
 ははは……笑えねぇ。
「それってさ、つまるところ、自分が歌うものですら気づいていないってことは、司が歌うものに関しても恋愛って気づくかは相当怪しいってことですかね?」
「かーもねぇ……」
 自転車のハンドルに突っ伏す嵐子からすると、相当見込みなしチックだ。
 やばい……これはどうしたらいいんだろう。
 俺たちと司の賭けって最初から負け決定なんだろうか?
「一応、恋愛の歌であることは教えてきたつもりだけど、本人、全く理解できてないぽかったわ」
「まずいだろぉ、それ……」
「何? どうかしたの?」
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