光のもとでⅠ
 現時点では口を噤まざるを得ない。
「これは明日、何かしら手を打つ必要があるわね……」
「なんかいい案でもあるの?」
 嵐子は、ふふ、と笑みを浮かべ、
「題して煽り作戦よ」
「なんですか、それ」
 普通に謎。
「賭けでそこまで啖呵切った司なら、なんでもやりそうじゃない? 変にプライド高いところを利用すべしっ! 翠葉の鈍さに自信があるならこのくらいできるでしょ? 的な何かを吹っかける」
「つまりは?」
「司が歌っているところを翠葉に生で見せるっ! で、その翠葉をガン見して歌えとインカムから朝陽に通達させよ」
 うぉ……。
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