光のもとでⅠ
「もう、全校生徒にばれてるようなものなんだから、今さらよっ」
 嵐子が頼もしく見える反面、荒れているようにも見えた。
「どうせ司のことだから、いざとなれば『それも姫と王子の出し物演出』とか言って切り抜けるんでしょ」
 あぁ、そこまでわかっていて仕掛けるつもりなんですね……。
「なんだか色々とじれったいのよ……。司にしてはがんばってるほうだと思うけど、肝心の翠葉は全然気づかないし……。翠葉も最近はよく司のことを目で追いかけてるんだけど、まだその理由が恋心なのかは掴めないのよね……。こうなったら翠葉を惚れさせるしかないでしょ。そのくらいの意気込みで行くわよっ!」
 あぁ、そうか……。
 それは思いつきもしなかった。
 なるほどね……。
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