光のもとでⅠ
 その人間の作品と人間自身を見にくるのだろう。
『おまえ、どこまで知ってる?』
「……どっちも、かな。会長のことも翠のことも。ふたりが静さんと契約してることは知ってる」
『そうか……。俺は翠葉ちゃんのことはかなり前から知ってたけど、加納のことはつい最近まで知らなかった』
「俺は本人からカミングアウトされただけ」
『ま、明日明後日と忙しくはなるけど、こっちは手抜かりなくことを進めるからそんなに心配しなくていい』
「了解」
『ところで……紅葉祭が終わったら少し時間作れないか?』
「……なんのために?」
『これといった用はない。ただ、久しぶりに話をしたいだけだ』
「言う相手間違ってるんじゃない?」
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