光のもとでⅠ
 時計を見れば十時半前。
 きっとまだ起きている。
 そんな気がして翠に電話を入れた。
『……はい』
 出るまでに少しの間があり、さらには出てからにも若干間があった。
「何かしてた?」
 明日明後日は紅葉祭だから、予習ということはないだろう。
 だとしたら、日程表でもさらっていただろうか……。
『髪の毛乾かしてた』
「そう」
 あぁ、風呂に入ってたのか……。
『ツカサは? 会計の話? それとも別の連絡網?』
 翠は、そういうこと以外で俺から連絡がくるということは想定していないのだろうか……。
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