光のもとでⅠ
 忙しくなるんだろうな、と思えば、クラスをあまり手伝えないことが申し訳なく思えてくる。
 すると、
「翠葉ちゃん、イレギュラーってそんなに悪くないと思うの」
 そう言ってくれたのは希和ちゃんだった。
「確かに人数が少なくて大変なこともある。でも、そういうのをみんなでがんばるから連帯感が生まれるのだと思うし、ほかのクラスが味わえないものをうちのクラスは味わっているのだとしたら、それは得だよね?」
 そんなふうに話してにこりと笑ってくれた。
「私はカノンが実行委員になったこともすごく嬉しいし、カノンがクラスにあまり顔を出せない分、私ががんばろう、って思う。……たぶんね、みんな同じだよ? 翠葉ちゃんや海斗くん、桃ちゃんたちがこの紅葉祭の要でがんばってくれているから私たちが楽しめるものになる。さらには紅葉祭を支えるのが各々の団体の催し物や展示物っていうのなら、私たちはそこでがんばれるよね。だから、翠葉ちゃんは自分が必要とされている場所でがんばればいいだよ。誰にも何も悪いことはしてない。もし、引け目とか感じてるのなら、私許さないよ? これと同じこと、カノンにも言ったの。引け目を感じる程度の仕事しかしてないんだったら、もっとがんばってこいっ! って」
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