光のもとでⅠ
 寝坊をするときはたいていが確信犯。
 たいてい、前夜に寝坊を予告してくれるのだ。
「俺が行こうか?」
「ううん、起こしてくる」
 蒼兄と唯兄がふたりで使っている部屋へ入ると、背を丸め、蹲るようにして寝ている唯兄がいた。
「唯兄、朝だよ。起きて朝ご飯食べよう?」
 声をかけるも反応なし。
「せ、り……」
「っ……!?」
 唯兄の少し掠れた声にも驚いたけれど、不意に口にされたお姉さんの名前にはもっとびくりした。
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