光のもとでⅠ
「今も後悔してる……?」
「えぇ……自分、妹に何もしてやれなかったんで」
「……そうか、それはつらいかもな。うちはさ、年が離れてるからか普段から結構仲はいいほうなんだ。……けど、一度失いかけてからはすごい大切にしてる」
彼はそれに何も答えなかった。
「だけど、翠葉はなかなかつらいことを話してくれないし、我慢しすぎて倒れたりする。本当に目が放せないんだ」
「……セリ――うちの妹とは正反対だな。セリはいつでも女王様みたいにワガママ言いたい放題でした。それに振り回されている両親は俺を見向きもしませんでした。いつでもセリが中心で、いつでも俺だけが家族じゃないような気がしてた」
「そっか……。うちはもともと両親が放任主義なんだ。ホテルで会ってたりするかな?」
「会ったわけではありませんが、御園生夫妻のことは知っています。あの人たちは娘が体弱くても普通に仕事して――いや、家に帰れないことのほうが多いんだから普通以上に仕事してますよね」
彼はどこか嘲るような笑みを浮かべた。
「えぇ……自分、妹に何もしてやれなかったんで」
「……そうか、それはつらいかもな。うちはさ、年が離れてるからか普段から結構仲はいいほうなんだ。……けど、一度失いかけてからはすごい大切にしてる」
彼はそれに何も答えなかった。
「だけど、翠葉はなかなかつらいことを話してくれないし、我慢しすぎて倒れたりする。本当に目が放せないんだ」
「……セリ――うちの妹とは正反対だな。セリはいつでも女王様みたいにワガママ言いたい放題でした。それに振り回されている両親は俺を見向きもしませんでした。いつでもセリが中心で、いつでも俺だけが家族じゃないような気がしてた」
「そっか……。うちはもともと両親が放任主義なんだ。ホテルで会ってたりするかな?」
「会ったわけではありませんが、御園生夫妻のことは知っています。あの人たちは娘が体弱くても普通に仕事して――いや、家に帰れないことのほうが多いんだから普通以上に仕事してますよね」
彼はどこか嘲るような笑みを浮かべた。