光のもとでⅠ
 実際、この警備体制を目の当たりにするまでは思いつきもしなかった。
 今日って……もしかしてもしかしなくても、秋斗さんはとても忙しい日なのではないだろうか――。

 物々しい警備体制を横目に私道を進むと、高等部門内で忙しく動く人たちが見えてくる。
 ここでは実行委員が校内マップや展示物紹介が記された冊子を配る準備をしていた。
 テントが両脇に分かれているのは二日目を考慮してのことだろう。
 一日目は来場客の大半が身内なので、左右どちらのテントで受け取っても冊子の中身に変わりはない。
 二日目の来場者は入学希望者かチケットを持ったお客様。
 入学希望者も今年の九月までにパンフレットを取り寄せた人に限られる。
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