光のもとでⅠ
合同ミーティングはミーティングというよりは、インカムの使い方説明会と化していた。
実行委員側の説明を終えた朝陽先輩が海斗くんにひとつのインカムセットを渡す。
「これ、佐野くんに渡して使い方教えてあげて」
「了解っす!」
考えてみたら佐野くんがこの場にいないのは不自然だった。
肩書き的にはいないことが正解だけれど、佐野くんは肩書きとかそういうものは抜きで紅葉祭の中枢にいる人だから。
「海斗くん、佐野くんは?」
海斗くんはにっ、と笑ってグラウンドを指差した。
「えっ……今日も?」
「そっ、佐野が部活休みなのは試験期間と年末年始くらいじゃね?」
唖然とする私に、
「特待生って大変だよね」
と、苦笑して見せたのは朝陽先輩だった。
実行委員側の説明を終えた朝陽先輩が海斗くんにひとつのインカムセットを渡す。
「これ、佐野くんに渡して使い方教えてあげて」
「了解っす!」
考えてみたら佐野くんがこの場にいないのは不自然だった。
肩書き的にはいないことが正解だけれど、佐野くんは肩書きとかそういうものは抜きで紅葉祭の中枢にいる人だから。
「海斗くん、佐野くんは?」
海斗くんはにっ、と笑ってグラウンドを指差した。
「えっ……今日も?」
「そっ、佐野が部活休みなのは試験期間と年末年始くらいじゃね?」
唖然とする私に、
「特待生って大変だよね」
と、苦笑して見せたのは朝陽先輩だった。