光のもとでⅠ
「大金を扱うのは社会勉強の一環。商品金額の設定が低いのは、学園祭自体に儲けるという趣旨がないから」
 確かに……そういわれて見ると、勝敗に「売上金」という項目はない。
 あくまでも来場者数と投票ポイントが基準となる。
 そこで気づいた。
 来場者数が伸びたとしても、そこに接客というサービスや何かが介在しなければ得票ポイントにはつながらないことに。
 だとしたら、展示オンリーをやるクラスがなくて当然なのかもしれない。
 明らかに、サービスが加わらないほうが分が悪い。

「二名様二ご案内お願いしまーす!」
 海斗くんに連れられてきたお客様を桃華さんと飛鳥ちゃんが案内すると、そこからは廊下で客寄せをする必要がないくらいひっきりなしにお客様がいらした。
< 5,545 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop